星空ラブソング

「ここ記入間違ってます」

職員が指さすところに顔を近づけて見るけれど、どこが違うのか、理解が追いつかなくて首をかしげてしまった。

「あの、どこが・・・」

「金額ですよ。こんなに多いわけがない。
通勤と間違って記載してるんじゃないですか?」

「な、なるほど、そうかも。すぐに調べ直します」

「正しく書いてください」

「すみません」

大人しく携帯で経路を調べなおしながら、内心上から目線の職員にムッとしていた。

そんな言い方しなくてもいいじゃない、人間なんだから間違えることだってあるでしょうにと心の中でぶつぶつ言っていた。

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