星空ラブソング
「“そらまめくん“知ってる?」
「それ、なんですか?」
「絵本なんだけど、機会があったら読んでみて。
色々豆の種類出てくるし、沢田さん気にいるかも」
「はい、今度読んでみます!」
私の名前覚えてくれたんだなと思って、初めて名前を呼ばれた瞬間で嬉しいはずなのに何故か喜びきれないでいた。
オススメの本を教えてもらっても何かが引っかかった。
「竹田さん絵本好きなんですか?」
「ああ、うん。もともと本が好きでさ」
「へぇ、でも、なんか絵本は意外でした」
「子どもも読むしね」
「え・・・」
思考が一瞬止まりそうになったけど、私は確かめるように聞いた。
「子どもさん、いらっしゃるんですか?」
「・・・いるよ」
竹田さんは目を伏せて笑いながら小さく頷いた。