星空ラブソング
一次面接は、部長クラスの男性の方との個別面接だった。
有名企業だから多くの人が面接を受けに来ていて、待合室の空気は張りつめていた。
面接は15分くらいで、自己紹介から始まって、志望動機や高校時代のエピソード、短所や長所、何故この業界を選んだのかを話し終盤には自己PRもした。
質問内容は予想していて対策をしていたのに、緊張が高まる中であまり上手く受け答えができなかった。
面接官が、最後にアドバイスするように優しい口調で言った。
「面接は、緊張するのは当たり前なんだからその緊張を受け入れてね。
あとは、場数を踏んで面接になれていってください」
駅の改札に向かいながら、不合格の文字が頭に浮かんで肩を落とした。
自分でもどうしてこんな行動に出たのかわからない。竹田さんの顔が一目でいいから見たくて抑えきれなくて、気づいたら大学方面の電車に乗り込んでいた。