星空ラブソング
慌てる私に向かって冷静な口調で職員は言った。
「保健室まで運びますから、悪いけど、彼の荷物持ってきてもらえます?」
呼吸が荒く意識が朦朧としている俊君の姿に、私は不安で半泣き状態になりながらも頷いた。
次の瞬間、俊君を軽々しくお姫様抱っこした職員は、颯爽と保健室に向かって歩いていった。
私は、近くの床に転がった俊君の荷物を持って必死に後を追った。
保健室についてから、俊君はベットに移され、保健室の先生と職員に介抱されながら救急車の到着を待った。
私はどうしたらいいのか分からなくて、保健室の隅に立っていたら職員が近づいてきて聞いた。
「授業は?」
端正な顔立ちが無表情だから怖かったのか、私の身体は、その低い声にびくりと小さく震えて後ずさりをした。
「あります。これから」
「もう大丈夫ですから、時期に救急車も到着します。ここは任せて授業に行ってください」
「で、でも・・・」
私がたじろいでいると、その会話が聞こえていたようで、奥から保健室の女性の先生が顔を覗かせて優しく言った。
「大丈夫よ。私たちがついてるし、今、親御さんにも連絡がとれたから安心して」
私は手に持っていた俊君の荷物を職員に預けて、お願いしますと頭を下げた。