星空ラブソング

翌日、信じられないことに、一次面接通過のお知らせがメールで届いた。

次回の面接は、2週間後の木曜の午後4時に設定されていて、私はその日に向けてより細かな企業研究を始めることにした。


就活は、未来を創っていくための第一歩だと思う。未知の領域に足を踏み入れる時は、不安や期待様々な感情の中、1つずつ自分で乗り越えていかなきゃいけないことを知った。


例え届かない思いだとしても、竹田さんが密かに心の支えのような存在になっていた。


それは、切なさと幸福感とが交互にやってくるような複雑な思いだった。


7月に入った。あの一次面接が終わった後で、大学に戻って竹田さんを遠目で見た日以来、彼の姿をみかけない日が続いた。


同じ敷地内にいるのに、会わない時はすっかり会わないものなのだ。


木曜の自習室には、梅雨時期に入った時に話しかけてきた小柄なおじさん職員が準備をしにきた。


竹田さんどこにいるのかな。


どんなに思っても彼と距離を縮めることは叶わないのに、そう思うほど逆効果のようにその存在を求めてしまう。


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