星空ラブソング
会えない時こそ、気づけば竹田さんのことを考えてしまっているけれど、こんなの自ら穴に落ちていく選択をしてしまっているようなものだ。
竹田さんを思う気持ちに終息をつけられないまま、2次面接がある木曜日を向かえた。
自習室にいたところ、自宅マンションの仲介業者の担当者から電話がかかってきた。
教室内には、他にも学生がいたから、私はスマホを持ったまま廊下に出て電話を受けた。
エアコンの修理について話していると竹田さんが現れた。
2週間ぶりの再会だった。
電話中のなまま、瞳が重なって、私はスマホを握る手にギュッと力を込めた。
竹田さんは、私を見ながら微笑して目の前を通り過ぎ、そのまま自習室に入って行ってしまった。
そして私が電話を終えた時、竹田さんが自習室から出てきた。
「沢田さん、今忙しい?」
唐突にかけられた声に半ば躊躇しながらも私は首を横に振った。