星空ラブソング

「その時、空の景色にもっと出会ってみたいと思いました。その為には、窓を開けなくちゃいけないことに気づきました。同時に何かが解けていくかのように、心の窓も少しずつ開いていって、訪ねてくれる友人と言葉を交わすところから始めて、徐々にクラスに戻っていきました」

「なるほど、その後は、陰口の輪には戻ったんですか?」

「いえ、戻ることはありませんでした。私は、躓いてしまった時間の中で、学校に行く意味を自分の中で見つけられたから強くなれたんだと思います」

学校で理科の時間に空の不思議について学べること、会いたい友人と会えること、空の色を眺められること、私の中に生まれた希望が再生させてくれた。

そのきっかけをくれたのは、家族や友人で今でも感謝している。

「では、またもし同じようなことが起きたとしたら、今の沢田さんだったらどうすると思いますか?」

「今の私だったらきっと、環境のせいにして自分から逃げるという選択肢は選ばないと思います」

「何故そう言い切れますか?」

「周りに惑わされない強さをあれ以来磨いてきたと思うからです」

「そうですか。わかりました。今日の面接はこれで終わりです。お疲れさまでした」


それ以上は、何も聞かれることなくあっさりと終わりを告げた。


今の会話で面接官は何が知りたかったんだろう。


私は、なんだかスッキリとしない気持ちで面接会場をあとにした。

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