星空ラブソング
私は英語の授業を受けながら、先生の英語の発音の後ろにサイレンの音を聞いて、俊君が運ばれていっているのだと、さっきの苦しそうな顔を思い出していた。
俊君の診察結果は、過労が原因の「心因性発熱」で、それから数日間は絶対安静を要されたけど、幸い実家が都内で親の介抱もあって回復は早かった。
2週間後には、すっかり元気に期末テストを受けられた。
俊君を介抱してくれたあの職員とは、あの後、涼花といるときに1回学内ですれ違った。
その時にお礼を伝えたけれど、相変わらず冷淡な感じだったな。
期末テストの最後の日、俊君がバイトに明け暮れてたのは学費と生活費を稼ぐためだけじゃないことを知った。
2月が誕生日の私にプレゼントでネックレスを用意してくれようとしていたんだ。
春休みに入る前の日、帰路でそのネックレスを受け取って、私たちは友達から恋人になった。
俊君とは、知り合いを通じて出会い、半年の友達期間を経て約1年付き合った。
そして、俊君の卒業を期に別れた。
喧嘩別れとかではなかったのだけれど、ただ俊君とは友達だった頃の方が居心地がよかったんだ。
友達から彼氏になった途端、毎日1時間ごとくらいに届くlineの通知に疲れてしまった。
その内容は大体「どこにいるの?」とか「何してる?」とかこちらの状況を確認するような内容で、未返信なのに一方的に通知は溜まっていった。
いつの日か、私の中の張り詰めていた糸がプツリと切れて、俊君には連絡を減らせないかと胸の内を話したけれど、中々通じ合えなかった。
そして、この春休みに私たちは別れを選んだ。