星空ラブソング

期末テスト週間を全て終えた。夏休みに突入した7月最終日でもある火曜日、私は卒論指導を受けに大学に行った。

まだ夏休み気分になりきれない。

午後2時の外は、日干しになりそうなくらい暑かった。

論文で“豆の消費者アンケート”と題して、100人対象にアンケートを実施することになった。

実施方法は、ネットや用紙やいくつか考えたけれど、教員の意見で今回は原始的に紙でとることになったが、100人の道のりも集計も気が遠くなりそうな作業だ。

私は、入館証を返却した時に竹田さんに出来上がったアンケート用紙を渡して早速回答してもらうことにした。


「今、書きますよ。少し待てますか?」

「はい。よろしくお願いします」


近くに他の職員がいたからか、竹田さんは敬語モードだった。

私は、カウンターから離れた端っこで書き終えるのを待った。

何もしないでいるのは落ち着かないから、造形教室で実施するプログラムの進行表に目を通していた。


チラリと竹田さんのデスクの方に視線を向けると、アンケートを記入してくれている横顔が見えた。

< 96 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop