星空ラブソング
「あとは、何人か知り合いにも頼んでみるよ。そんなに数は多くないから期待はさせられないんだけどさ」


「ありがとうございます」


その親切心が、時に相手を傷つけることもあるって知ってる?


竹田さんと未来を描くことはできないと自分に言い聞かせているのに、逆走するように、どうしようもなく求めてしまう気持ちが、棘みたいに心に刺さって抜けない。


特別講義までは、当分大学にこないから、その間は、竹田さんにも会えないのだけれどメールでやり取りするんだよね。


切ないのに嬉しい。そんな、言葉にならない感情が胸の中を覆いつくす。


大学を出てから、見上げた空に広がった仄かな薄ピンク色が、瞳の中で滲んで溶けていった。


その夜、三原君から七夕祭りのお誘いがlineで届いた。


【七夕祭りが、阿佐ヶ谷で8月3日~7日まで開催されるんですけど行きませんか?】


卒論や就活や竹田さんのことから少し距離を置きたかった。

自分で変化を起こしていかなきゃこの状態はずっと同じままだ。


【声かけてくれてありがとう。行ってみたい!7日はどうかな?】

【本当ですか!? 7日、大丈夫です!】


こうして三原君と七夕祭りに行くことになって、私の学生生活最後の夏休みが幕を開けた。

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