言えなかった言葉 ~友達と同じ人を好きになって…

翌朝 目を覚ました 川村は 

一瞬 状況が わからないようで。


「あれ。ここ 寺内の家?」

俺は 少し前に起きて コーヒーを飲んでいた。

「やっと起きたか。珍しいな。川村が あんなに酔うなんて。」

「俺 よく覚えてないけど…どうしたんだろう。」

「居酒屋で 岩瀬さんに抱き付いて キスしようとして 大変だったんだぞ。後で よく謝った方がいいよ。」

「嘘だろ?」

「嘘じゃないよ。川村 コーヒー飲むか?」

「いや… 水もらえるか?」

俺が ペットボトルを差し出すと

川村は 軽く 頭を下げて 受け取った。


「寺内 迷惑かけたな。今度 昼飯でも 奢るよ。」

「気にすんなよ。俺より 岩瀬さんのこと フォローしておけよ。」

「ああ。サンキュー…」


川村の言葉は 何となく 歯切れが悪くて。


「岩瀬さんと うまくいってないの?」

俺は ハッとして 川村の顔を見た。


「いや… うまくいってないわけじゃ ないんだけど…」

川村は ポツリポツリと 話し始めた。






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