言えなかった言葉 ~友達と同じ人を好きになって…

「俺達 付き合って もうすぐ 3ヵ月になるのに。早苗 キスしかさせてくれないんだ。何でだと思う?」

「そんなこと… 知らないよ。」

「今どき 高校生だって すぐに抱かせてくれるのに。いい大人がさ…身持ちが固いにも ほどがあるよ。早苗 俺のこと 好きじゃないのかな?」

「そんなことないだろ?昨夜も 岩瀬さん 川村のこと 心配してたよ。」

「昨夜だって… 寺内を 誘おうって言ったの 早苗なんだ。俺に抱かれるのを 避けてるんだよ。」

「それで川村 あんなに酔ったのか?」

「そういうわけじゃないけど。最近 仕事も うまくいってないから。疲れてたのかな。」

「焦ること ないんじゃない?岩瀬さんと 付き合っていることは 確かなんだから。」

「それもなぁ…何か 俺達 合わないのかな。早苗 反応が薄いから。俺が 空回りしてるみたいで。もう 自信ないよ。」

「贅沢言うなよ。やっと オッケーもらったんだろ?」


川村の言葉は 思いがけなくて。

俺は 心に一筋の 光を見た。


早苗は まだ 川村に 抱かれてない…


たった それだけのことが

俺は 嬉しかった。


項垂れる川村と 反対に 

俺は 明るい笑顔で コーヒーを飲み干した。






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