言えなかった言葉 ~友達と同じ人を好きになって…

「ごめん。俺 全然 余裕なくて…」

「ううん。すごく嬉しい…」

早苗の部屋の 狭いベッドで。

早苗を 胸に抱いたまま 

話すことは 心地良くて。


「早苗の肌 スベスベで綺麗…」

俺は 早苗の肩を 撫でながら 呟く。

「ウフッ。くすぐったい…」

「あー。そんな声 駄目だよ。」

「えっ…だって…」

「俺 ずっと 早苗を 抱きたかったんだよ?」

「んんっ…私も。ずっと 雅也と…」

「知らないよ 早苗…俺 止まらないよ…」


俺の指先は 早苗の柔らかい肌を滑り。

指先の感触だけで 身体中が 熱くなるほど

満たし終わった ばかりなのに。


「あんっ。まさや…」

俺の指先に 反応する早苗は

最初よりも 深く俺を包んで。


早苗の身体が ピンク色に染まった時

俺は 二度目の愛を 放出していた。


その夜 俺は 本当に 止めることが できなくて。

そんなことは 初めてだったから。

自分を 抑えることも できなかった。


腕の中で 眠る早苗に 唇を落とし

目を閉じた瞬間に 俺も眠っていた。








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