言えなかった言葉 ～友達と同じ人を好きになって…

大人になるって　そういうことなんだ…

年齢だけ重ねても　わからなかった。


愛する人と　出会って。

同じように　愛されて。


自分以上に　大切だと思える　存在を

守り守られて　生きていく覚悟を　決めて。


時には　自分を否定することや

信念を　曲げることになっても。


それでも　守りたいと　思えるくらい

愛し合うことは　幸せだから。


こんな気持ち　今までは　わからなかった。


早苗は　俺を　成長させて

新しい俺を　見つけてくれた。


狡くて　貪欲な大人を　汚いと思っていたけど。

大切な人を　守るためなら　汚いこともできる。


それが　家族を作る覚悟だって

俺は　わかったから。


もう俺は　いつまでも　順番を待って

黙って　並んでいた俺じゃない…


「そろそろ　結婚式の準備も　始めないとね。」

「うん。なんか　夢みたい。」

「俺も。あの日の雨に　感謝だね。」


俺は　胸が熱くなって　

力いっぱい　早苗を　抱きしめた。


もう　迷わない…











　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～end