怪奇病棟〜恐怖からは逃れられない〜
「あの……用がないなら切ってもよろしいですか?」

私はそう言い、受話器から耳を離そうとしました。その時、電話の相手が何かを小声で言い始めたのです。

「えっ?な、何ですか?」

私は受話器を耳に押し当て、相手の言葉を聞き取ろうとしますが相手の言葉が小さく、聞き取ることができません。しかし、どこか不気味でした。

「すみません!もう少し大きな声で言ってもらえませんか?」

私がそう言うと、相手は一旦黙りました。そして次の瞬間、大声で狂ったような笑い声が私の耳に突き刺さります。

「アッハハハハハハハハハ!!アハハハハハハハハハハハ!!」

「ひっ!!」

私は肩を震わせ、受話器を置いてしまいました。受話器を置いても、私の体は恐怖で震えています。

そのまま私は、逃げるように帰ってしまいました。



家に帰ると顔色がとても悪かったのか、リビングでパソコンをいじっていた夫が「大丈夫か?」と私をソファに座らせてくれました。

「仕事で何かあったのか?」
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