怪奇病棟〜恐怖からは逃れられない〜
夕食のハンバーグをテーブルに並べた後、私はお風呂場へと向かいました。空いている窓を閉め、お風呂の栓をすればいつでも沸かすことができます。
「お母さん!ご飯食べたい!」
優がリビングから大声で言いました。我が家では家族が揃ってから食べるというルールにしています。私は「今行く!」と言い、何となく脱衣所の鏡の方を向きました。目が自然とそちらに向いたのです。
「ひっ!」
鏡を見た刹那、私の口からは悲鳴が漏れていました。その悲鳴を聞きつけたのか、夫が「どうしたの?」と脱衣所にやって来ます。私は慌てて「何でもない。ご飯食べましょ」と言い、笑顔を作りました。
私が鏡を見た時、鏡に映る私の後ろに病衣を着た老人の姿が見えたのです。しかし、次に鏡を見た際には何も映っていませんでした。
この時の私は、まだ知りませんでした。これがまだ恐怖の序章に過ぎないということをーーー……。
「深田さん!買ってきた新聞、ここに置いときますね」
「ありがとう。ご苦労さん」
この病棟で働き始めて気が付けば数ヶ月が経っていました。仕事にようやく慣れ、早番と遅番を繰り返す日々が続いています。今日は遅番です。
「お母さん!ご飯食べたい!」
優がリビングから大声で言いました。我が家では家族が揃ってから食べるというルールにしています。私は「今行く!」と言い、何となく脱衣所の鏡の方を向きました。目が自然とそちらに向いたのです。
「ひっ!」
鏡を見た刹那、私の口からは悲鳴が漏れていました。その悲鳴を聞きつけたのか、夫が「どうしたの?」と脱衣所にやって来ます。私は慌てて「何でもない。ご飯食べましょ」と言い、笑顔を作りました。
私が鏡を見た時、鏡に映る私の後ろに病衣を着た老人の姿が見えたのです。しかし、次に鏡を見た際には何も映っていませんでした。
この時の私は、まだ知りませんでした。これがまだ恐怖の序章に過ぎないということをーーー……。
「深田さん!買ってきた新聞、ここに置いときますね」
「ありがとう。ご苦労さん」
この病棟で働き始めて気が付けば数ヶ月が経っていました。仕事にようやく慣れ、早番と遅番を繰り返す日々が続いています。今日は遅番です。