怪奇病棟〜恐怖からは逃れられない〜
「わ、私!先輩や先生に連絡します!!」
看護師さんはそう言い、真っ青な顔をしたまま走って行きましたが、七階から飛び降りた前田さんがどうなったかなど医師ではない私にだって想像はできます。
「……ッ!」
頭が混乱し、ショックで吐き気がこみ上げる中、私はなんとかナースステーションまで戻りました。看護補助員には医療行為ができませんので、私にはもうすることがありません。
前田さんが飛び降りてしまったことで、看護師さんたちはナースステーションからいなくなっていました。いつもは賑やかなナースステーションが恐ろしいほど静かで、体が小刻みに震えます。
その時、ナースステーションに置かれている電話が鳴り響きました。昼間なら検査に一階まで来てほしいなど、よく電話がかかってきます。しかし、この時間にかかってくるのは珍しいです。
「はい。七東看護補助員の結城です」
私は電話に出たのですが、電話の相手は何も話しません。私が「どちら様ですか?」と訊ねても黙り込んでいました。
看護師さんはそう言い、真っ青な顔をしたまま走って行きましたが、七階から飛び降りた前田さんがどうなったかなど医師ではない私にだって想像はできます。
「……ッ!」
頭が混乱し、ショックで吐き気がこみ上げる中、私はなんとかナースステーションまで戻りました。看護補助員には医療行為ができませんので、私にはもうすることがありません。
前田さんが飛び降りてしまったことで、看護師さんたちはナースステーションからいなくなっていました。いつもは賑やかなナースステーションが恐ろしいほど静かで、体が小刻みに震えます。
その時、ナースステーションに置かれている電話が鳴り響きました。昼間なら検査に一階まで来てほしいなど、よく電話がかかってきます。しかし、この時間にかかってくるのは珍しいです。
「はい。七東看護補助員の結城です」
私は電話に出たのですが、電話の相手は何も話しません。私が「どちら様ですか?」と訊ねても黙り込んでいました。