すぐそこに夏空が【中学生日記】
 困ったもんだ。オレの頭の中から、奈緒の姿が離れなかった。この五時限目は、まったく授業に身が入らない。

 ゲスの極みだな、オレ……
 そう自覚しながらも、妄想が止まらなかった。



 以前から悩みの種だった奈緒のニキビは、この梅雨に入ってから、少し良くなってきたと聞いている。
 気がついたら妄想の中でオレは、奈緒の「お肌お悩み相談」に乗っていた。

「海の塩分は洗浄効果があるから、いいかもよ」
 そんなことを言いながら、一所懸命に彼女を海へと誘い出していた。

 潮騒が聞こえる。二人を照らす陽射しが、気持ちよかった。奈緒は早くも水着に着替えている。

 正面から見た彼女の水着は、ごく普通の花柄ワンピースだった。裾が僅かにスカート状になっているのがカワイイ。

 奈緒が後ろを振り向く。
 背中は大胆にも完全オープンだった。いかにもキメ細かな色白素肌が、オレをドキリとさせる。
 細い紐がクロスしながら、正面側の生地に結び付く様子が、たまらなくセクシーだった。

 もっと、奈緒を眺めていたい……
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