そろそろきみは、蹴られてくれ。


「じゃ、またね、紗奈ちゃん」


手をひらひらと振りながら、男子の集団のもとへ行く。


あ。もうすぐ、休憩時間終了か。


息を吸って、吐いて、吸って、胸に手を当てる。


落ち着け落ち着け落ち着け、花乃が帰ってくる前に表情を沈め──


「さーなちゃん!」


穴を掘って埋まるか、海に沈むかしてこようかな。

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