そろそろきみは、蹴られてくれ。





「昼だー!」


男子の大声に、お腹すいたなぁと思う。


「花乃、お弁当食べよっか」

「うん!」


あれから花乃は笑顔になって、見る限りでは楽しんでいた──と思う、我慢していなければ。


我慢だとかはわからないけれど、楽しんで見えたのだから、きっといいんだ。


ちら、と横にいる橘と篠山くんを見る。


ふたりはどうするんだろう……。いっしょに食べたいという思いはあるけれど、いままでわたしたちはずっとそばで過ごしていたから。


ほかのひと、女子も男子も、わたしと同じ気持ちな気がする。


だって、ふたりとも人気者だし。

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