そろそろきみは、蹴られてくれ。
*
「昼だー!」
男子の大声に、お腹すいたなぁと思う。
「花乃、お弁当食べよっか」
「うん!」
あれから花乃は笑顔になって、見る限りでは楽しんでいた──と思う、我慢していなければ。
我慢だとかはわからないけれど、楽しんで見えたのだから、きっといいんだ。
ちら、と横にいる橘と篠山くんを見る。
ふたりはどうするんだろう……。いっしょに食べたいという思いはあるけれど、いままでわたしたちはずっとそばで過ごしていたから。
ほかのひと、女子も男子も、わたしと同じ気持ちな気がする。
だって、ふたりとも人気者だし。