そろそろきみは、蹴られてくれ。
「わたし、橘のことがすき!」
お腹の底から声を出した。指先に、きゅうとちからが。
「わたしはきっと、あんたじゃなきゃ無理だと思う。橘の前だから、こういうわたしなんだよ。素のわたしで、いられる。──どうしよう、橘がすきすぎて、おかしくなりそう……」
眉間に、こぶしの人差し指の側面をあてる。
まだまだあるんだよ。いっぱい、いっぱい、言いたいんだよ。
整理して、また、言葉を紡いで。