そろそろきみは、蹴られてくれ。
「わたしは橘の彼女じゃなくて、そのくせに嫉妬しちゃうし。だいすきで、くるしい」
それからね、橘。
「付き合うに至る何か、が、足りないんじゃないかってずっと思ってたんだ。でも、わかったの」
息を、吸って。目だけを向けるようにして、橘を見る。
顔ごとあげて見ることは、できなかった。
目を合わせてしまったら、さらに深くまで堕ちてしまうと思う。すきがもっともっとつのって、堕ちて、ときめいてしまう。
いまそうなったら、わたし、言葉が出てこないから。