そろそろきみは、蹴られてくれ。
「あとね橘。わたしのすきを、いっぱい知ってもらおうと思って」
「うん」
「わたし、相当に重いと思うよ。呆れちゃうかもしれないし、げんなりするかもしれないし、だからってわたし、いまさら離そうって気になれないし。──それでもよければ、わたしと」
「うん、紗奈ちゃん」
首を、上から指先でなぞられて。
びくりとして、言葉が止まる。
「紗奈ちゃん、おれと、付き合ってくれますか?」
「な、……んで、言っちゃうの。わたしが言おうと思ったのに」
「おれが最初に言ったんだよ」
……しってる、けど。だって。