そろそろきみは、蹴られてくれ。
「……っ、結局、まわりがいなきゃ思えなかったことばっかりだし。嫉妬までしちゃうし。これは1対1で向き合うってことができたのか、それだけは自信がないんだけど──それでも、いいのかな」
付き合えた途端、こんな弱音。
よくないかなって思った。それでも、橘にはぜんぶを言いたくて。
隠したまま付き合うことも、押し込めたまま接することも、したくない。
「おれだって、まわりが紗奈ちゃんすきだったらどうしよう、めちゃくちゃ見てたらどうしようって思うよ」
息を吸う音。すぐ、耳元で。