そろそろきみは、蹴られてくれ。


話しながら、そばにあった可愛いメモ帳に書いていった。


待ち合わせを忘れてしまいそうだからじゃない。


ずっとずっとあと、この先にも、ぜったいに覚えていられるように。


このしあわせを、忘れてしまわないように。




「──そろそろ、切ろっか」


橘の言葉にはっとした。


だいぶ長いこと話していたな。待ち合わせの話から、やりたいこと、他愛ない話。

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