そろそろきみは、蹴られてくれ。


……橘は、知らないことをわるく言うひとじゃないと思う。


よし、言おう! 言うぞ! 目を見てちゃんと言う。逸らさない。


その結果、不意打ちでキスされたとしても構わない、もしかするとそのままめちゃくちゃよろこぶわたしもいるよね。


おなかに息をためて、ゆっくりと口をひらいた。


落ち着かせるために、と1回閉じてしまったものを開けるのは、ほんとう、すごい勇気がいる。


だからって、もう、やめにしたりなんてしないよ。

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