そろそろきみは、蹴られてくれ。


ショッピングモールで見つけて、お揃いにした。可愛いけれど、キラキラな可愛さではない、ゆるふわな可愛さの、動物のシルエットがちりばめられているシャープペンシル。


最初はわたしが、いいなぁ、と立ち止まって。


それから、いやわたしには……と歩き始めて。


そしたら、橘がわたしの腕を掴んで、『まって』と言って、お揃いにすることが決まった。


可愛らしいもの、橘が持っているイメージはなかったし……。


『いいの?』

聞いたら、


『うん。うれしい』

と笑顔を向けられた。

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