そろそろきみは、蹴られてくれ。


ほんとくやしいな、あれ、いま橘なんて言った?


「あっ、うん、そう!」


目的を忘れていた。いけない。


「あのね、文化祭のシフト、発表されたんだ」

「! そうなの」


いつになった? 聞かれて、


「いちにちめの午前中、希望通りだって!」


元気よく答える。


橘も嬉しそうな顔をして、──……すぐに曇った。


「確定してなかったから、言えてなかったんだけどね」


すごく申し訳なさそうに眉を下げて、項垂れる。


んえ、どうした?

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