そろそろきみは、蹴られてくれ。


ゆるふわ、ならよかったよねー。という感じのゆるぼさ茶髪。前髪が少し長くて、切れ長の茶色い目と被さっている。


眉の形も綺麗だ。こいつのことだから、手入れしていなくてもこれかもしれない。


シュッとした鼻筋と、高い鼻。3ミリくらい削っても、バレないんじゃなかろうか。


薄めのくちびる。それが、軽く横に引かれて。


「……なんなの」


こいつ、微笑みやがった。わたしの行動を封じて満足ってこと?いやいや、可愛い発言の意味がわからないな。


「可愛いよね、ほんとう」


本日6度目の可愛い、え? 意味不明。


いままでも何度か、ちょっかいは出されてきた。


ふれられるのは今日が初めてだったけれど。


いつもは……微妙に似ていない、なんとも言えないクラスメイトの似顔絵が、ちぎったノートの切れ端とともに送られてくるくらいだったのにな。

< 5 / 625 >

この作品をシェア

pagetop