そろそろきみは、蹴られてくれ。
ゆるふわ、ならよかったよねー。という感じのゆるぼさ茶髪。前髪が少し長くて、切れ長の茶色い目と被さっている。
眉の形も綺麗だ。こいつのことだから、手入れしていなくてもこれかもしれない。
シュッとした鼻筋と、高い鼻。3ミリくらい削っても、バレないんじゃなかろうか。
薄めのくちびる。それが、軽く横に引かれて。
「……なんなの」
こいつ、微笑みやがった。わたしの行動を封じて満足ってこと?いやいや、可愛い発言の意味がわからないな。
「可愛いよね、ほんとう」
本日6度目の可愛い、え? 意味不明。
いままでも何度か、ちょっかいは出されてきた。
ふれられるのは今日が初めてだったけれど。
いつもは……微妙に似ていない、なんとも言えないクラスメイトの似顔絵が、ちぎったノートの切れ端とともに送られてくるくらいだったのにな。