そろそろきみは、蹴られてくれ。


あまい。あますぎる。


橘の愛もたしかにあまいけど、重量級といいますか。ふわふわあまいこの感じには耐性がないし、そもそも重量級のあまさにも耐性がない。下手に防御に出るよりも、逃げたほうが得策か? スルーはわたしには無理。


──しれっと橘の “ 愛 ” って言っちゃったな。うわ、心臓にわるい。


いや、うん……事実。橘からわたし、という前提で話してしまったけれど、矢印が反対だとしてもそれは認めます。事実です。


おわー!! 胸がくるしい、きゅんの供給過多、そして自爆赤面の多発事故。


「花乃……、ちゃん」

「繋げて呼んで?」

「花乃、ちゃん」

「うん」

「……花乃ちゃん」

「うん!」


さらに赤く赤くなっていく篠山くんと、しあわせそうな花乃。


よかったね、ほんとうによかった。


結婚式の挨拶のスピーチはいますぐ書けます、ぜひ呼んでください。

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