そろそろきみは、蹴られてくれ。
けどほんとう、気をつけたほうがいいと思う。わたしだからなんともないけれど、もしもほかのひとだったら即通報だろうし、もしくは新聞部で号外が撒かれただろうし。なんて。
そんな、もしもほかのひとに、を想像したくないほど欲を張っているのが現状なんだけど。
玄関で「お邪魔しました」とお辞儀をして、それから白い息を見つめた。
外は寒くて、世界はもうすぐ完全に夜に沈みそうで、指先がかじかむ。
一瞬ホラー映画がよぎったけれど、こうやっていっしょに帰ってもらうのはこわさを軽減させるためでも、いざというときの身代わりでもない。
これはすきだから。できるかぎり橘のぜんぶがほしいから。……って、わたしもだいぶ重いよね。
……今日、爆発しすぎかもしれない。
お邪魔アイテムは、2次元だからギリギリゆるされるのに!