そろそろきみは、蹴られてくれ。


「繋ぐ」


優しい声のあとに、ゆっくり。じんと。伝えるかのように。


指先どうしの熱がまじわって、それから心の熱がまざって。


かじかんでいた手は、すっかりあつくなっちゃった。


ぎゅう、と、ちからが込められる。


だからわたしも、同じくらい。

負けないくらい。

勝っちゃうくらい。


つよくつよく、握り返した。





──Fin.


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