それ以外の方法を僕は知らない





「…無理」

「克真くん友達いないみたいだから私が第1号に立候補したんだよ」

「いるってば、友達」

「1人だけでしょ?」

「……うざい、消えて」

「友達になってくれたら消える」

「お前なぁ…」





はぁ…とため息をつく彼に若干の申し訳なさを感じてしまうけれど、もう後には引けない。


困らせていることは重々承知だ。

けれど、この機会を逃したらまた次の日直が1周するまで待たなければならないし、常連と言えどその時もまた彼が課題未提出者である保証なんてどこにもない。


私は、彼と友達になりたい。

もっと知りたい。聞きたい。
きみのことを教えてほしい。


今日しかない。


今しか、ないのだ。



< 15 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop