それ以外の方法を僕は知らない





「課題の提出期限守らない人に言われても信憑性がないなぁ」

「…それはそれだろ」

「そんなのあり?」

「あり」

「意外と独裁政権…」



はぁー…とわざとらしくため息をつけば、彼は眉間にしわを寄せて「…うざい」と呟く。




―――キーンコーンカーンコーン


そうこうしているうちに予鈴が鳴った。
それと同時くらいに担任が「席付けー」なんて言いながら教室に入ってくる。



「じゃあ、克真くんを信じて放課後楽しみにしてるね?」

「…はいはい」



相変わらず気怠そうに返事をした彼に軽く手を振って、私も自分の席に着く。


彼と過ごす放課後が、ひどく待ち遠しかった。



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