銀色ハウスメイト



「桜井くん!桜井くん!」




ドア越しの声は届くはずだけれど、リビングに桜井くんがいるのか不安だし、そもそも起きてるのかも不明。


下着姿でお風呂場で一夜を過ごす、なんてことになったら追い出されるんじゃ……




「……なに。」


「!!桜井くん!!!」


「……だからなんだよ。」


「あの、着替えを持ってきてなかったことを思い出して!貸してもらえませんか?」


「……。」




……足音が遠ざかっていく音がする。

え、見捨てられた感じ…?


あ!もしかして、裸の女なんて見たくもないから一生ここに閉じ込める、なんてことに桜井くんの脳内はなっていたり…




「そ、そんなことしたら犯罪ですよ!?桜井くん!」




おかしな想像で頭がいっぱいになったわたしはとりあえずドアを叩く。




「桜井くん!桜井くん!!さ、」


「三浦、うるさい。」


ガラッ…


「いちばん小さいの探したから、これ。」




あ、そうなんですか。ありがとうございます。

……って。

え?おかしくない…?



服を探してくれてたんだ。

いちばん小さいのを探すなんて大変だったでしょうに。

やっぱり桜井くんはいい人だなあ。



待って。

だからそうじゃなくて。




桜井くんはなんでもいように服をわたしに押し付けながら、

“ はやく受け取れ ”

とでも言いたそうな顔をしてるけど。



わたしいま、…は、はだ……?




「……うわあ!!!何してるんですか、桜井くん!!!」


「……はあ?」








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