銀色ハウスメイト



「なにしてるってお前が服貸してって言ったんだろうが。」


「そうじゃなくて!」


「…はあ?だからなに。」




わたしいま下着しか着けてないんですよ!と言いかけて飲み込む。

なんだこの妙な恥ずかしさは。




「〜〜っ!とりあえず!はやく閉めてください!」




ドアに手をかける桜井くんの手を引き剥がして、急いでドアを閉めた。

さ、桜井くんの常識は一体…?




「…服は。」


「そこに置いておいてください!」


「………チッ。」




かまされた盛大すぎる舌打ちは聞こえなかったことにしよう。


初日で分かった桜井くんのこと。



犯罪だとかなんとか言ってる場合じゃなかった。

どうやら彼は圧倒的に言葉が足りないらしい。




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