銀色ハウスメイト
帰り道にあるスーパーに寄り、お鍋の食材を買うことになった。
……そこまではよかったのだけれど。
白菜を持った桜井くんが買い物カゴのなかを凝視している。
「……待てよお前。それなに、キムチ?」
「そうですけど…」
「俺、それ無理」
わたしがカゴに入れていたキムチ鍋の素を見るなり顔をしかめた桜井くんは、なんとそれを返しに行こうとしたのだ。
「ちょちょちょ…!今日はキムチ鍋に決定したんですよ!」
「はあ?鍋を提案したのは俺だろ」
「カンケーないですキムチです!」
むむむ…。
そしてまた桜井くんの据わった目。
でも今回は蛇に睨まれるカエル状態なんかじゃない。
どっちも蛇だ。