銀色ハウスメイト



まあでも別に、わたしは寝れるならどこでもいい。




「床で寝ます。」
「俺と一緒に寝るか。」




わたしたちが口を開いたのは同時だった。




「…や、……え?」


「別にシングルだからってそこまで狭くねーよ。」


「わたし、床で寝れますよ?」




桜井くんは引きつった顔をしているであろうわたしを一目見て、“ 頭おかしいんじゃねーのおまえ ” とでもいうような顔をした。




「床なんかで寝たら風邪ひくだろ。」


「いやでも、悪いです。」


「俺がいいって言ってんだからいいんだよ。」





桜井くんは「もう寝とけ。」とだけ言って洗面所の方へと歩いて行ってしまった。


まだ話は終わってないと思う。


抵抗はあるけれど、桜井くんならまあいいか、と思ってしまう。
きっと猫を拾ったくらいにしか思われていないだろうから。




ソファからベットに移動しようと立ち上がったそのとき、突然と視界が歪んだ。

なにこれ。倒れる…?



< 18 / 144 >

この作品をシェア

pagetop