銀色ハウスメイト
まあでも別に、わたしは寝れるならどこでもいい。
「床で寝ます。」
「俺と一緒に寝るか。」
わたしたちが口を開いたのは同時だった。
「…や、……え?」
「別にシングルだからってそこまで狭くねーよ。」
「わたし、床で寝れますよ?」
桜井くんは引きつった顔をしているであろうわたしを一目見て、“ 頭おかしいんじゃねーのおまえ ” とでもいうような顔をした。
「床なんかで寝たら風邪ひくだろ。」
「いやでも、悪いです。」
「俺がいいって言ってんだからいいんだよ。」
桜井くんは「もう寝とけ。」とだけ言って洗面所の方へと歩いて行ってしまった。
まだ話は終わってないと思う。
抵抗はあるけれど、桜井くんならまあいいか、と思ってしまう。
きっと猫を拾ったくらいにしか思われていないだろうから。
ソファからベットに移動しようと立ち上がったそのとき、突然と視界が歪んだ。
なにこれ。倒れる…?