銀色ハウスメイト



次の瞬間には、さっきいたはずのソファじゃなくて、その下の床に座り込んでいる。


なに?今の。


立ち上がろうとした瞬間、焦点が合わなくなったと思って、微妙な体制のままソファから床へと落ちていた。



そのままソファに手をかけて立ち上がろうとするけれど、足がガクガクと震えて上手くいかない。




「……なんで?」


「三浦」




茫然としていたとき、後ろから声が聞こえて来てその方向へと顔を向ける。


歯ブラシをくわえた桜井くんが、しゃがんだままのわたしの顔を覗き込んできた。




「…お前、熱あるだろ。」


「……うそ。」


「ずっと顔赤い。」




手で額に触れるけれど、温度の差は感じない。


でも、確かにさっきから頭がふわふわしたり、体のだるさはあった。

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