銀色ハウスメイト
… とりあえず30秒は見つめ合ってたと思う。
その冷たすぎる目と。
目の前の彼はわたしの顔をじっくり見つめたあと、しっかりと靴から頭までを見た。
でも、
「……意味わかんね。」
と呟くとアパートの階段を登って行ってしまった。
カンカン、と足音がしてさっきの音はこの階段の音だったんだと理解。
このアパートに住んでるんだ。
……って。あれ?
おかしい。
わたしは必死の思いで彼に縋ったはず。
このままじゃ、さっきと同じだ。
せっかく希望が差したというのに。
思い直したわたしは大きな音を鳴らしながら、先ほど彼が登って行った階段を駆けた。
あ、アパートの住人さん。
こんな真夜中に大きな音出してごめんなさい…。