銀色ハウスメイト



腕を組んでくる穂乃ちゃんは「そりゃ好きですよ!」と、もう片方の手で広瀬さんへのピースを作る。


わたしはそれに笑いながら、水滴のついたグラスに入るオレンジジュースを回した。



“カラン”という音が心地いい。





「とりあえず、わたしは桜井くんといるときの三浦ちゃん好きだな。まだ2回しか見たことないんだから、もっと見せてよ?」





広瀬さんがふふっと笑いかけてくる。


わたしはきっと下手くそで曖昧な笑顔で答えておいた。





「でも気になってたんですけど、好きじゃないんだったら三浦さんは桜井くんのことどう思ってるんですか?」





穂乃ちゃんの不思議そうな視線。


この質問にはしっかり答えられる。


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