銀色ハウスメイト



「お前にしてもらってばっかだろ、俺」


「えっ、そんなのわたしが言い出したことじゃないですか、」


「でもお前は家政婦じゃねえから」





……気にしてたの?


言い終わった後、わたしへと向ける笑顔にそう気付かされた。



けれど、桜井くんは気づいたら洗濯物を畳んでくれてたりするし。

……下手くそだけどね。





「ふふっ、じゃあたまに手伝ってください。桜井くんの気が向いた時に。」





でも、嬉しい。





「…ああ。分かった」







ねぇ、

広瀬さん、穂乃ちゃん。


桜井くんに対して恋とか、そんな感情はないけれど、この気持ちを分類する場所は“好き”だと思うんだ。


でも、2人でキッチンに並んで料理するなんて彼氏と彼女みたい。……なんて思ったりしたよ。





< 80 / 144 >

この作品をシェア

pagetop