銀色ハウスメイト
「お前にしてもらってばっかだろ、俺」
「えっ、そんなのわたしが言い出したことじゃないですか、」
「でもお前は家政婦じゃねえから」
……気にしてたの?
言い終わった後、わたしへと向ける笑顔にそう気付かされた。
けれど、桜井くんは気づいたら洗濯物を畳んでくれてたりするし。
……下手くそだけどね。
「ふふっ、じゃあたまに手伝ってください。桜井くんの気が向いた時に。」
でも、嬉しい。
「…ああ。分かった」
ねぇ、
広瀬さん、穂乃ちゃん。
桜井くんに対して恋とか、そんな感情はないけれど、この気持ちを分類する場所は“好き”だと思うんだ。
でも、2人でキッチンに並んで料理するなんて彼氏と彼女みたい。……なんて思ったりしたよ。