銀色ハウスメイト



「冷やさないと…!」


「いや、大丈夫だって。あんまかかってねえから」


「でもっ」


「まじで。…ちょっと、このままにしてて」





わたしの手を振り解いた桜井くんの手は、もう一度背中に回される。


その流れでわたしも桜井くんの胸に顔を埋めた。



いつの間にか桜井くんの手は、わたしの背中から頭へと移っていた。





「……焦った。お前、鈍臭すぎんじゃねえの」


「ほんとその通り……。手、すみません」


「別にいーよ」


< 85 / 144 >

この作品をシェア

pagetop