どうして・・

···何も考えたくない


式の日から三日後に
私は出社した。

好奇の目を向ける人もいたが
課長や仲間がいてくれて
守ってくれた。

課長と仲間には
自分の口から
「わざわざ結婚式に
足を運んでくれたのに
こんな事になって
申し訳ありませんでした。」
と、頭を下げた。

参加するために美容室に
行ってくれた人もいたと思う
みんなの貴重な時間を割いてしまって
本当に申し訳なかった。

そう伝えると
「「「「「・・バカっ、
自分が一番辛いのに
人の事ばかりで。
そんな事、気にしなくていいの。・・」」」」
と口々に言ってくれた。

私は、自分の仕事に邁進する。
仕事をしていると嫌な事を
考えなくても良いし
仕事もはかどるから。

私は、あれから自分の気持ちに
向き合ってはいない。
怖くて逃げているのだ。

それを見越したように
ドイツのおばあちゃまから
電話が入る
お母さんが連絡したのだろう

☆『 』ドイツ語です

『いろは、げんきなの?』
『ごめんね、心配かけて』
『なぜ、私の可愛い、いろはが
謝らないといけやいの?
あなたは何もしていないでしょ
私の大切な孫に悲しい思いを
させた償いは、きっちり
してもらうから。』
『ありがとう、おばあちゃま。
Ich liebe dich(大好き)』
『Ich auch(私も)』
と、言い
今の私を気遣い
おばあちゃまは、
ドイツでの生活や
ドイツの街並みについて
話しをしてくれた。
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