どうして・・
はち

···うんざり


新は・・

これ以上····聞いていられない。
これ以上·····彩羽を傷つけたくない。

美春を連れ出さなければ
その思いで、美春の腕を取り
奥菜弁護士事務所をでる。

「····いたいっ。痛いって。
  本当になんなの?いたいから!!」
何度も、言っていたのか
美春から腕に爪をたてられて
「いてっ!」
と、立ちどまると
「痛いって、言ってんのに、もぅ!」
と、言いながら自分の腕をさする
美春を、ただ茫然と見ていた。

今までなら、直ぐにそばにいき
大丈夫かと、言うだろうが
美春の全てが« 嘘 »に見えた。

「新?新っ?もう、なんなの?」
と、今度は目の前で手をふる美春に
「止めろ!」
と、口からでると
「なんで、私が怒鳴られるのよ!」
と、文句を言ってる。
「あっ、新もお腹すいてるからだね。
私もお腹すいた。
なにか、食べに行こうよ。」

今まで、どこにいて何があったか
など、なんとも思ってない美春に
怒りがわく。

だが、今後の事も話さないと
行けないから
うるさい美春を黙らせる為に
近くのファミレスに入る。

なんで···ここなの···
ここはいや··だ····とか
子供じゃないんだよ····とか
もっと美味しい所がよい··だとか
騒いでいたが、俺は無視して
メニューをみる。

それでも、まだぎゃー、ぎゃー、
言っている美春に
「じゃ、食べるな。」
と、言うと
ぶつぶつ言いながら
注文をした。

食べている時も
一人しゃべる美春の声が
やけに耳障りに聞こえ
黙って欲しかった。

今までは、美春の全てが
可愛くて、幼稚な所も
儚げな所も好きだった····が····
全てが、本当に
  « 嘘 »に見えた。。。

取り敢えず
彩羽と暮らすはずだった
マンションに戻り
今後の話を美春としないと行けない。

こいつは、金をもっているのか?
美春の夫である
池谷さんは、通帳もカードも
凍結させると言っていた。
もう、処理は済ませただろう。

さっさと食べてから
「でるぞ。」
と、美春に言い
また、ぎゃー、ぎゃー、
騒いでいる美春の腕を掴み歩く

どこにいくの
デザート食べたかった。
足が疲れた。
腕、いたいって

グチグチ····わめく···美春にうんざり···

俺は·····いったい·····
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