どうして・・

···母寝込む


奥菜先生と対面する

俺は、会社からと銀行から
借りたお金で彩羽と日垣家
池谷さんに支払う事
父には、申し訳ないが
200万円を支払う事を伝えた。
近日中に
振込みを完了しましたらご連絡します。と。

そして、出来ましたらと
先生から彩羽へ渡して頂けませんか
と、手紙を渡した。

俺は、この間
漠然と謝罪をしたが
彩羽にきちんと謝罪をしていない。
もう、会う事は許されない
だから、手紙を書いた。

何を、どういっても
許される事ではない。
彩羽にも日垣家のご両親にも
大きな傷を残してしまった。
それは、いつか治まる
そんなものではない。
それをしたのは、俺だ。

奥菜先生は、黙って俺の話を聞いて
「大変でしたね。」
と、言葉では言うが
表情では、なにもわからない。

俺は、
「後9日で北海道へ転勤となります。
もう、二度とこちらへは戻りません。

迷惑をかけた両親にも
会いません。

子供は、本当にいなかったと
二人で心穏やかに暮らして欲しい。

ただ、体には気をつけてほしい。
28年間、育てて頂きまして
ありがとうございました。」
と、先生から伝えて頂きたい
事もお願いした。

俺の用事は終わった。

後は、先生の請求を待つのみだが
先生から、話しはないようなので
「これで失礼します。」
と、席を立つと。

「あなたのご両親から依頼された
除籍は、終わりました。
あなたとあなたのご両親は、
戸籍上では他人です。
ですが、年末年始の挨拶ぐらいは、
してあげて下さい。」
と、言うと
両親の新しい住所が書いた紙を
渡してくれた。

あの地を離れたのだと
全て自分の責任だと情けなかった。
「身内の方の恥だとか
こんなのが身内にいて
と、言われてお母さんが
体調を崩されて
誰もいない所に異動願いを
出したようです。
本当は、会社にも迷惑をかけたから
退職を希望したけど
会社から残って欲しいと
言われたみたいで
石垣島へと異動するみたいだよ。
北と南だね。」
と、先生に言われて
涙が溢れる。

「それで、母親は大丈夫ですか?」
と、訊ねると
「何日か寝込んだみたいだけど
異動が決まると少し元気に
なられたそうだ。」
と、言ってもらい少しホッとした。

「あなたは、今後、どうするつもりで?」
と、先生より
「はい。
美春には、こちらで仕事を
みつけさせました。
どんなところで、どんなものかは
しりません。

一人で決めてきたので。
それで良いと思っています。

私は、一人で北海道へと行き
寮に入ります。
あのマンションは解約します。
美春の個人預金は預かっています
先生への支払いの為に。」
と、話すと
「私への請求料は
服部 美春より15万円をもらいます。
あなたの分は、池谷さんから
頂きました。
池谷さんが、美春に罪の意識が
あるか、今後わくかも
わからないけど
あいつが困るのは金ですから
あいつからとって下さい。
と、言われたのです。
ですから、請求書をお渡ししますから
美春さんに渡して下さい。
そして、明日の13時にここに
持ってくるように伝えて下さい。」
と、封筒を渡された。

俺は、池谷さんの会社の
住所も教えて貰い
先生にお礼を言って
事務所を後にした。
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