どうして・・

···新居


律は、沢山の商品の中から
自分がよりすぐった数点を見せて
彩羽に選ばせた。

それは、律が
« これ »
と、定めたものが入っていた。

彩羽は、
多くを見ることなく選んだ。

それは·····律が
決めていたもので
律は、初めから
彩羽のsizeで選んでいたから
直ぐに購入し
その場でかしづき
彩羽の左手薬指に
それを嵌めた。

お店のスタッフも
そこが店だと忘れたように
二人を見つめ
指輪が彩羽の薬指に嵌められると
歓喜の声をあげた。

律は、彩羽を優しく抱き締めて
店の人達に頭を下げて
彩羽と共に出て
役所に行き二人で婚姻届を提出
「確かに受理いたしました。
ご結婚おめでとうございます。」
と、係の方に言われ
「「ありがとうございます。」」
と、二人でお礼を伝えて
役所をでて
両家へと連絡をして
空港に向かう。

ドイツ行きを待つ間に
少しゆっくりする。
かなりハードなスケジュールだったので
彩羽の体が心配だった。

彩羽とて律の体を心配していた。
二人で寄り添い
ラウンジで寛ぎ
搭乗時間になり機内に入り
飛行機が動きだすと
二人は、寝てしまい
ローテンブルクに着く間際に
目を覚まし
二人で顔を見合わせて笑った。

彩羽は、山寺 彩羽となった。

律は、ドイツでも
彩羽と婚姻を提出し
テア様に報告に立ちよった。

律と彩羽は、テアの家を改築して
住む事を考えていた。

年老いたテアから
離れる事を彩羽が
気遣うのは、わかっているし
自分が忙しい時に
何より心強い

テアも喜んだ。

律は案を数点持って行き
テアと彩羽と話して決めて行った。

一階にテアの部屋と矢島の部屋。
テアの部屋には
外から侵入を防ぐ対策と
シャッターもつけた。
部屋の中のクローゼットは少し
小さめにして
クローゼットだけの部屋をもうけ
アルファベットの« I »のように
テアの部屋、矢島の部屋
後ろをクローゼットの部屋
テア達の部屋の前から通路を作り
通路の左右にウッドデッキ
通路の先に温室とキッチン
リビングダイニングを。
車椅子でも移動もできる用に
考慮されている。

二階を彩羽と律の新居とし
三階をゲストルームとした。
各部屋、各階に
お風呂・シャワー室・化粧室が
作られる

全ては律の設計で、
庭は、千亜季さんがデザインを
してくれた。
とても、温かくて優しい
家と庭になる。
おばあちゃまも
すごく楽しみにしていた。

敏也と理恵は、
逆に事務所の近くのアパートメントに
新居を持った。

高田は、自分が事務所にいても
理恵が少しでも安心できるように。
事務所には、彩羽もいるから。

テアの家へも二人で良く
遊びに来ている。

今、律と彩羽は、テアと矢島と
共にホテルに宿泊している
その間、エマには、
ゆっくり休みをとってもらっている。

設計図は完成しているから
建築に取りかかっていた。

律は、仕事の傍ら
必ずテアの家の進みを見に立ち寄り
確認していた。

着々と完成近づき
完成まで後一週間となった。
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