どうして・・

···大変な思い


日本から戻って
本当に忙しい日々を送った。

理恵もみんなの食事を作ったりと
影で支えてくれた。

お陰で明日を迎えられる。
昨日、律のご両親と
彩羽の両家がドイツに入り
おばあちゃまのお家に滞在している。

式は、身内と事務所の人だけ
パーティーは、高田夫妻の紹介も
込めて行う。
クライン家の一族として。

聖ヤコブ教会にて式を挙げる
厳粛の中、
ステンドグラスが美しい輝いている

真っ白なウェディングドレスを着て
長いベールを引き
父・隼人と共に入って行く
目に見えるは
神父様と大好きな律

父と母は、彩羽のドレス姿に
涙が止まらなかった。

彩羽は、ドレスを着るにも
時間がかなりかかって
スタッフの方々と
早い時間からゆっくり準備をした。

それは律から事前に話があっていたから。

何度も吐きそうになり
律は、着なくても良いのでは
と、何度も何度も口にだそうとしたが
彩羽が必ず首をふるから
彩羽を抱き締めながら
「彩羽、愛してる。大好きだよ。」
と、繰り返した。

スタッフの人達も涙を浮かべながら
準備を手伝ってくれた。

そのお陰で、今を迎える

顔色は悪いが、微笑む彩羽の
そばまで行き抱き締めたいのを
必死に我慢していると

お義父さんから
「律君、本当にありがとう。
娘を彩羽を宜しくお願いします。」
と、頭を下げられた。
「お義父さん、必ず幸せにします。」
と、律は隼人とがっちり握手をした。

彩羽は、そんな二人に感謝しながら
律の腕にそっと手をおいた。

二人は、神父さんの前で
参列して頂いた皆様に感謝し
必ず二人で幸せになりますと
誓い
誓いのキスをする。

この際となが~いキスを律から
されて、真っ赤になる
彩羽にみんなが笑い出す。

お陰で緊張がほぐれた彩羽は、
みんなと沢山の写真を撮った。
もちろん律とも。

おばあちゃまも矢島さんもエマも
とても喜んでくれた。

パーティーでは、
律と高田さんの挨拶があり
各々パートナーを伴い
挨拶に回った。

律のご両親は、沢山の外国人に
混じりとても喜んでいた。

二人とも英語は話せるがドイツ語は、
片言だが、楽しそうにしていた。

彩羽の両親は、
親戚への挨拶に回っていた。

パーティードレスは、
律が選んだ中から
彩羽が選んだ。

背中がかなり開いているが
優雅なものだ。
律は、直接背中に手をあてられるのが
楽しみだった。
「気持ちいいね、彩羽の肌は。」
と、囁くから
「もう、手を動かさないで」
と、彩羽が怒る
そんなやり取りをしながら
皆様に挨拶をしていた。

全てが滞りなく終了して
みんな帰宅する。

明日は事務所はお休みとなっている。

彩羽の両親と律の両親は、
観光をして帰国する。

律と彩羽も今日は、
ホテル・ラッペンに宿泊する
おばあちゃまがプレゼントを
してくれた二泊で。

部屋に戻り
律は、彩羽を緊張から
解き放ち、シャワーを浴びて
眠りにつかせて
自分も彩羽の横に入り
彩羽を抱き締めてしばし瞳を閉じた。
< 81 / 96 >

この作品をシェア

pagetop