どうして・・
にじゅう

···お義父さんの怪我


あれから、四年。

高田さんと理恵さんの間には
夢(かなえ)ちゃん
女の子が産まれた。
もうすぐ二歳になる。


律と彩羽にも二人の子供に恵まれた

長男・佑(たすく)三歳
長女・彩音(あのん)一歳

二人は、高田さん家の夢ちゃんと
仲良しだ。

それに二人は、
おばあちゃまが大好きで
矢島さんやエマとも仲良し

彩羽の両親も良くドイツに来ている
ドイツに住む話しもでているほど

実は、律のお父さんが
仕事中に怪我をしたと
連絡が来て
今日、日本へと帰る。

律のお父さんは、
大手航空会社の整備等を
行う業務についている。
最終点検中に部下が片付け
忘れをした工具箱に足をかけ転倒。

上を見ながら確認中だった為···

右足の骨折と左手首にひびが
入っているらしい。
彩音に会いに来る予定の怪我で
お母さんからのお願いで
帰国する。

こんな事故が
あっては、いけない事態に
航空会社は大変だったようだ。

離陸最後の点検だったから····

部下の人は、朝から体調が悪かったらしく
それに気づかなかった
自分に責任があると
上に掛け合って部下は自宅待機と
減俸ですんだ。
お義父さんは、痛かったようだが····

初めての飛行機に二人は
大はしゃぎ。

彩羽は、佑を出産してから
やはり、徐々に変わってきた。

優しさや美しさは変わらないが
凛となった。
律は、佑の時も彩音の時も
出産に立ち会い
彩羽から離れなかった。

彩羽は、律を愛し
律もまた、こよなく彩羽を愛していた。

佑の瞳は、彩羽のグレーと
律の茶系が入っていて
凛々しい顔をしていた。

彩音は、彩羽のグリーンをひき
淡いグリーンの瞳が
可愛いかった。

二人は日本語とドイツ語を
習得していった。

機内では、少し彩音がパニックに
なったが、大好きなお兄ちゃんが
側にいてくれたから
直ぐに落ち着いた。

律は、仕事の関係で
どうしても一緒に帰れずに
後から帰る事に····

到着すると
彩羽の両親が迎えに来ていて
佑は、
「おじいちゃん!おばあちゃん!」
と、飛び付いて行く
父が、
「佑、大きくなったね。」
と抱き締めてくるくる回すと
きゃー、きゃーと
佑は、大はしゃぎ。

それを見ていた彩音は、
私の後ろに隠れていたが
横から顔をだして
じーっと、見ている
母が
「彩音、大きくなったね。」
と、彩音の目線で話すと
彩音は、私の顔を見たから
頷いて
「おばあちゃんだよ。」
と、言うと
「ばあたん?」
と首を傾げてきく
「そうだよ。彩音は賢いね。」
と、頭を撫でられ嬉そうにしている。
そこに佑が戻ってきて
父も彩音に挨拶する
「彩音、じいたんだよ。」
と、言うと
彩音は、嬉しそうにしていた。
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