どうして・・
にじゅうに

···大好きなおばあちゃま


ドイツでは·····

おばあちゃまの体調が思わしくなく
彩羽の両親も本格的ドイツに
移る為に自宅も売却して
おばあちゃまの家の三階で
暮らすことになった。

生活をしていくなかで
律と相談しながら手を加える事に
なった。

佑は、日本人学校に通い始めた。
彩音は、彩羽とピアノを弾いたり
おばあちゃまのそばから
離れなかった。

今は、矢島さんとお母さんと
私でおばあちゃまを見ている。

お父さんは、佑のお迎えや
彩音と一緒にいてもらってる。
怜さんも良くきてくれて
おばあちゃまと矢島さんと話をしている。

お母さんやお父さんも
一緒したりと·····。

律達の事務所は、理恵さんに
お願いしていることもあり
夢ちゃんは、佑と一緒に
お父さんが学校の送迎をしている。


だが·····
懸命の看病もむなしく
おばあちゃまは穏やかに
眠られた。

矢島さんから
母と私が側にいてくれて
おばあちゃまは、
「本当に幸せそうにして
    いらっしゃいました。」
と、言われた。

葬儀は盛大に行われたが
母は、憔悴して
父がずっと側にいた。

私には、
律が寄り添ってくれていた。

葬儀には、事務所の皆も
手伝いに入ってくれた。

全てが終わると
お母さんは、10日ほど寝込んだが、
財団の仕事もあり
経営自体は、今までと変わらないが
専門の父がいるから会計士の方と
お母さん、矢島さんと
内容を把握したり
打ち合わせをする事が多く
寝込んでばかりはいられないと

いつも穏やかで優しい母だが
クライン家の一族で
おばあちゃまの血を
一番濃くひく者として
凛として対応している。

父もいるし、まもなく落ち着くだろうと
思っている。

いずれは、私の子供達が手をかす
事になるだろうが。

大賀先生は、あの日の事を
奥菜先生から連絡があったようで
「遊びにきたよ。」
と、言いながら
心配してくれていたのがわかった。

本当に優しい人達で
感謝しかない。

私は、律に言われた事を
大賀先生に話して
「もう、過去は忘れました。」
と、伝えると
「律も、やるじゃん。」
と、先生は、嬉しそうだった。

川本のご両親にも
律との式や
子供達の出産は知らせていた。
写真を添えて·····

毎回ではないが返事も頂いていた。

私は、これが最後と
おばあちゃまが健在のときに
写った皆の写真と共に
新と奥さんを受け入れて
頂けませんか
と、お願いの手紙を送った。

きっと、私を心配しての
事だと思ったから。
とても優しいご両親だったから。

私はこんなに幸せですから
もう大丈夫です。
と、伝えたかった。
きっと、川本のご両親には
届くと信じていたから·····
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